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年齢とともに気になる「冷え」。漢方で考えるその原因とやさしいケア

Tags: 冷え, 漢方, 体質, 高齢者, 体のバランス

年齢とともに感じやすい「冷え」とは

「なんだか体が冷えやすくなった」「手足がいつも冷たい」「以前より温まりにくい」と感じることはありませんか。特に年齢を重ねるにつれて、このような「冷え」に関するお悩みをお持ちの方が増えるようです。

冷えは単に寒いと感じるだけでなく、肩こりや腰痛、頻尿、むくみ、不眠など、さまざまな体の不調につながることもあります。しかし、西洋医学的な検査では特に異常が見つからないことも少なくありません。

このような「冷え」について、漢方ではどのように捉え、どのようにアプローチするのでしょうか。「漢方入門ナビ」では、初めて漢方を知る方にも分かりやすく、年齢とともに気になる冷えの原因とやさしいケアについてご紹介いたします。

漢方医学における「冷え」の考え方

漢方医学では、「冷え」を単なる体温の問題としてだけでなく、体全体のバランスの乱れとして考えます。私たちの体は「気(き)」「血(けつ)」「水(すい)」という3つの要素が滞りなく巡り、バランスが取れていることで健康が保たれていると考えられています。

年齢とともに、これらの「気・血・水」の働きが弱まったり、巡りが滞りやすくなったりすることがあります。これが、年齢を重ねると冷えを感じやすくなる理由の一つとして考えられています。

漢方では、冷えの原因をこれらの「気・血・水」のバランスの乱れや、体の特定の機能の低下(例えば、体を温める「陽」の機能の不足など)として捉え、その根本的な原因に対してアプローチしていきます。

冷えと関連しやすい不調

「冷え」は、それ自体がお辛いだけでなく、他のさまざまな体の不調と関連していることが多いです。

これらの不調が冷えと同時に現れている場合、冷えの原因となっている体のバランスの乱れを整えることが、これらの不調の改善にもつながる可能性があります。

漢方での「冷え」へのアプローチ例

漢方では、冷えの原因となっている体の状態(体質)を見極め、そのバランスを整えることを目指します。例えば、

これらの漢方薬は、体を温めるだけでなく、冷えに関連する他の不調(肩こり、腰痛、頻尿など)の改善も同時に目指せる場合があります。

ただし、どのような漢方薬が合うかは、冷えの程度や、どのような不調を伴っているか、普段の体質などによって異なります。自己判断で選ぶのではなく、専門家に相談することが大切です。

漢方薬以外の冷え対策

漢方医学では、薬だけでなく、日々の生活の中で体のバランスを整えることも重視します。

これらの生活習慣の見直しは、漢方薬と組み合わせることで、より効果的に冷えの改善を目指せる場合があります。

自分に合ったケアを見つけるために

年齢とともに気になる「冷え」は、漢方医学の視点から見ると、体のバランスの乱れが原因となっていることが多いです。体の根本的なバランスを整えることで、冷えだけでなく、それに伴うさまざまな不調の改善も期待できます。

漢方薬は、個々の体質や症状に合わせて選ばれるため、自分に最適なものを見つけるためには専門的なアドバイスが不可欠です。医師、薬剤師、または登録販売者にご相談ください。あなたの体の状態を詳しくお話しいただくことで、より適切な漢方薬やケア方法が見つかるでしょう。

「漢方入門ナビ」が、あなたの冷えのお悩み解決の一助となれば幸いです。